【本の要約】『DIE WITH ZERO〜人生が豊かになりすぎる究極のルール』

FIREとは逆?

なんか物騒なタイトルだと思った方も多いと思いますが今回は『DIE WITH ZERO』と言う本の要約をしていきたいと思います。

どんな内容かと言うとタイトル通り貯蓄はゼロで死にましょうという内容です。

題名も物騒ですし内容までぶっ飛んでいる本をなんで紹介するんだと思うかもしれませんが実は人生で大切なことがここに詰め込まれています。

人生で一度読んでおかないと死ぬときに必ず後悔するような内容になっていますのでぜひ読んでみることをおすすめします。

今回紹介する本はこの間紹介した生き方FIREとは真逆の生き方になります。

ぜひともまずは、こちらの記事を読んでいただいてくと自分自身の生き方の羅針盤をしっかり立てて人生を歩むことができるのでまずはFIREについての記事を読んでみてください。

簡単に要約するとFIREとは金融商品を所有しその配当金や金利を自分の生活費が上回ったらFIRE達成で働かなくても無限にお金が入り続けるよという生き方でした。

今回紹介する『DIE WITH ZERO』という本で推奨されている人生というのを紹介すると若いうちに得たお金は『経験』に使いなさいという教えです。

理由については後ほど述べていきますが得たお金を『金融商品』に使うのか『経験』に使うのかという違いがあります。

どちらも複利で増やすことができる投資で自分自身がどちらにどれくらいの配分でつぎ込むのかということが今回の記事のキーになります。

では本書の内容に入ってきましょう。

DIE WITH ZERO

まず本書は冒頭で童話のアリとキリギリスの話から始まります。

簡単に内容を確認しておくとアリとキリギリスがいてアリはせっせと毎日汗水たらしながら働いていましたがキリギリスはその日暮らしで毎日遊んで暮らしていました。

冬になるとしっかり蓄えができたアリは生き延びることができましたがキリギリスは食料がなくなり死んでしまいましたというお話です。

このお話はアリが蓄えていたから生き残ることができてハッピーエンドとして描かれています。

しかし、この考え方だとアリはずっと働き続けなくては行けない人生が待ち受けています。これは本当にハッピーエンドと言えるのでしょうか?

本書でもアリはいつ遊ぶことができるのだろう?というという問いかけから始まっています。

つまり、アリのようにずっと働く人生も良くないしキリギリスのようにずっと遊び回っても良くないけど丁度いい間の生き方ってできないだろうか?

というのがこの本のテーマになるということです。

みなさんの仕事を週5日でしてたまの休日は仕事の疲れを取るので精一杯。

正月や盆は家族サービスでだったり連休なんて最近とってないという方も多いのではないでしょうか?

そんな人生に疑問符を投じるのがこのこの本で言いたいことなのです。

最後まで読むとはっと気づくことがあると思います。

人生で最も大切なもの

まず結論からお話しますと人生で最も大切なものは『経験』です。

そして人生の仕事は思い出を作ることなのです。

本書で紹介されているエピソードとしてエリンとジョン夫妻のお話が紹介されています。

エリンとジョン夫妻

エリンとジョン夫妻は3人の子供にも恵まれ幸せな生活を送っていました。

しかし、ジョンの体に腫瘍が見つかり骨にまで転移していました。

そんな夫妻を見たこの本の著者はエリンに仕事は休み、ジョンが元気な間は一緒に過ごすことを提案しました。

その後エリンは仕事を退職しジョンと一緒に公園に行ったり映画を見たり、子どもたちと遊んで過ごしました。

その間治療には励みましたが病状は改善せずジョンはついにベットに寝たきりになりました。そしてジョンは3ヶ月で天国に旅立ったのです。

エリンは当時のことを思い出すと悲しみが蘇りますが仕事をやめてジョンと多くの時間を過ごせたことに喜びを感じています。

以上がエピソードなのですが我々は死を意識したときにはじめて自分が本当に大切にしたいことややりたいことに気づきます。

名著7つの習慣の中にも終わりを思い描くことから始めるという項目があります。

どの本でも死を意識することは人生を良くする最適な方法だと語られています。これは人生の原理原則なのだと思います。

7つの習慣』の概要はこちらの記事を見てみてください。

【本の要約】『7つの習慣〜人格主義の回復/スティーブン・R・コヴィー』人生を成功に導く

エリンはジョンの死をきっかけにほんとに大切な物がなんなのかということに気づいたのです。

これは自分自身の死についても同じです。

人生の終わりを考えず明日やろうとしたり来月、来年と先送りにしてずっと消化されないタスクが溜まり続けていないですか?

多くの人は手遅れになるまで我慢しているのです。

お金も一緒で使う当てがないのに節約をして人生を終えていってしまいます。

しかし、ただ散財することが幸せというわけでもないので自分が死ぬときに後悔しないお金の使い方ができるかどうかが大切になります。

思い出の配当

そして、人生にはそれぞれの年齢のフェーズにあった使い方が求められます。

例えば若いうちにのほうが体力もありますのでスキーやマリンスポーツを楽しめることができますし、お金に余裕が出てくる30歳40歳の方がラスベガスで遊んでも楽しいです。

このように人生にはその年令にあった経験をすることでより楽しむことができるのです。

ただ若いうちのほうが残った人生で何度も思い出すことができるので早いうちに経験できることはしておいたほうがお得です。

これを思い出の配当といいます。

つまり、残りの人生が長いので思い出の配当を受け取ることができるチャンスが多いということになります。

例えば、高校の同窓会で思い出話をできるのは20歳くらいの頃からずっと思い出したり話したりできるので、つまり思い出の配当が長い間もらえることになります。

しかし、年配になってから経験したことは人生が終わるまでに何度話したり、思い出したりできるかわからないので思い出の配当があまりもらえないということになります。

これはスキルや技術面でも同じで若いうちに身に着けたスキルは長いこと使えますが高齢になると使える時間が短くなるということになります。

つまりこういった技術や思い出を基にした『経験』は人生の早い段階で投資をしておくとリターンは大きくなります。

配当として複利でどんどん雪だるま式に大きくなっていくのが経験というわけです。

人間は最後の瞬間貯めたお金を使うことができません。

この本のタイトル通りできればお金をすべて使い切ってゼロで死にたいですよね。

経験の合計

人生は経験の合計でできていてその豊かさが人生のものさしになるのです。

そのことはこの本で著者の父が教えてくれます。

著者の父は晩年体が衰弱して体が動かすことができませんでした。

そんなある日著者は父にプレゼントをしました。中身は父が元気な時の思い出の写真がたくさん入ったiPadでした。

父は大学時代フットボールプレイヤーでしたがその映像を見ながら笑ったり泣いたりして思い出に浸っていました。

老いた父は新しい経験はできませんが、思い出から喜びを引き出すことができるのです。

つまり、人生で最も大切なものはお金を貯め込むことではなく思い出などの経験なのです。

ただ、忘れてはいけないことが冒頭でも言ったとおり思い出を作るならどれだけ使ってもいいということではなく、お金を使うなら経験になることに投資するべきであるということを言いたいのです。

海外旅行を楽しんだり、スキルを学ぶためにセミナーに参加してみたりとFIERを目指してせっせと金融資産を貯めることが人生ではないということです。

若いうちにしか楽しめないことがたくさんあることに気づきましょう。

年齢に合わせた最適化

次に年齢に合わせた最適化です。

ここでは年齢に合わせたお金の使い方を掘り下げていきます。

まず1万円が手元にあったとします。この1万円を持っているのが18歳の若い人なら1万円で友達とご飯を食べにいたり海でBBQしたりちょっとした旅行に行ったりと1日満足に過ごすことができるでしょう。

しかし年配の方が1万円を持っていたらどうでしょう。

ちょっと美味しいご飯を食べて終わりなんてこともあるのではないでしょうか?

もちろん年配の方が1万円持っていても意味がないということを言いたいのではありません。

どちらが1万円の価値を引き出すことができるかということを言いたいのです。

年配の方も若い時なら1万円を有意義に使うことができたはずですがだんだん物欲も健康面でも不安が出てきたしまうのです。

つまり、金の価値を引き出す能力は年々低下していくのです。

年齢別のフェーズ

一般的に20歳から30歳くらいではお金はなく時間がたくさんあるので時間を浪費しがちです。

逆にお金は貯めて使わない人もいますし浪費をしてしまって経験にうまく変換できていない人が多いです。

また健康面ではバリバリで不摂生になりがちです。

次に30歳から60歳は時間とお金に余裕があり、一番バランスがいいです。

ただ、時間を浪費しがちでなかなか経験に変換ができない人が多いでしょう。

最後に60歳以降はお金と時間に余裕ができ、何でもできると思われがちです。

ただ、健康面は徐々に衰えるため大きな旅行などは億劫になるでしょう。

このように各年代ごとに見てみると若いときには時間がないがお金は徐々に増えて余裕が出てくることが多いでしょう。

しかし高齢になってくると今度は健康面が大きな足かせになり、なかなか思ったように人生を楽しむことができなくなるフェーズになってくるのです。

つまり、若いうちから時間を作り経験を作って行くか健康に気をつけ引退した後に人生を充実させるという戦略が一番お得に生きることができるのです。

いくら健康に気を使っていても人間の寿命は計算ができないのでできれば若いうちにやりたいことをやっておくことをおすすめします。

やりたいことがわからないという方は"バケットリスト"を作ってみてください。

詳しくは『【人生をもっと楽しむ極意】バケットリストを知ろう。あなたのやりたいことリストはなんですか!?』を御覧ください。

資産は45歳から60歳から取り崩せ

老後の資金

ではゼロで死ねと言うけど具体的に何をしたらいいのと思う方も多いと思います。

結論から言うと45歳から60歳の間くらいで資産を取り崩し始めましょうということです。

では詳しく見ていきましょう。

多くの人は自分よりも貯金の方を長生きさせがちです。

これは老後何があるかわからないとか取り崩して足りなくなったらどうしようとか考えてしまうことでなかなか一歩が踏み出せないのです。

老後必要なお金は(老後の資金は年間生活費)×(残りの寿命、平均25年)×0.7で出すことができます。

この0.7というのは株や債券を運用していれば0.7でかけてもお釣りが来るくらい増えていくので資産運用ありきの金額です。

例えば年間の生活費が100万円だったとすれば1750万円あればちょっと余裕持って生きることができますよという計算になります。

これくらい残して老後に突入すればゼロで死ぬことができるということになります。

この本はアメリカで書かれているので日本の場合、年金や健康保険、医療費控除などが使えてますしセーフティネットも充実していますのでもっと余裕がある感じですね。

いやこんなギリギリで生活していくのは大丈夫なのかと思う方も多いと思いますのでこれはあくまで目安です。

年金がなくてもこれくらいで生きていけますよという目安になるということです。

ピーク

この章で言いたいことというのは45歳から60歳で資産のピークを作れということです。

先程も言いましたが死んでもお金をあの世に持っていくことはできません。

体力がある内に経験を作っておかないとなんのための人生なのかわかりません。

なので資産を貯めるのはいいがどこかでピークを作って、ピークアウトするように人生を設計することが大切なのです。

その年代が45歳から60歳くらいがいいというのがこの本で言われていることなのです。

この年代は健康な人であれば60歳位をピークに持ってきて、不健康な人なら45歳位をピークに持ってくるといいとあるので自分の健康をバロメーターにするといいでしょう。

ただ、45歳から60歳で資産のピークを作ると言いましたが仕事もやめて老後生活をしろと言うわけではありません。

仕事をしながらでも経験にお金を使うというのが人生を最大限に充実させる鍵になるでしょう。

資産の最大化を目指すのではなく人生の最大限充実させる思い出を最大化することが大切です。

このようにお金は経験に使うことで人生を最大化させることができるというのが本書で記されている教えです。

一方FIERという生き方はたくさんの金融資産を買うことで資産を増やし後から圧倒的な時間を手に入れる方法です。

爆発的に金融資産が手に入り、若くしてFIREできればいいでしょう。

しかし50代とかでFIREを達成しても人よりちょっと早いねくらいです。

そうなると若いうちに経験できたはずの思い出はもう取り戻せなくなってしまうのです。

本書でも言っている通り、全部経験につぎ込めと言っているわけではないですしFIREも全部金融資産に突っ込めと行っているわけではありません。

あくまでバランスが大切だと言うことです。

ちょっと前まではお金を貯めることが正義でFIREムーブメントが流行ってからは金融資産に投資しろと移り変わる中、本質的に人生を最大化できるのはもしかしたらDIE WITH ZEROゼロで死ぬことを目指すことなのかもしれません。

まとめ

DIE WITH ZERO〜ゼロで死ね〜という本を紹介しました。

本書では経験こそが人生で最も大切なこととあります。

これは経験という思い出を貯めることで後で思い出したり友達と話したりするという思い出の配当がもらえます。

また経験という技術を身につけることで一生食いっぱぐれないスキルを身につけることもできます。

各年齢のフェーズにあった経験を積んでいきましょう。

資産は45歳から60歳の間くらいで取り崩すと人生を最大化できます。

これは45歳から60歳の間で資産のピークを作って老後に向けてピークアウトしていきましょうということです。

死ぬときに一番金持ちにならない生き方をしましょう。

-参考図書-

以上