【本の要約】『USJを劇的に変えた、たった一つの考え方/森岡毅』ユニバのマーケティング

USJを劇的に変えた、たった一つの考え方

マーケティングのことがよくわからないという方や難しい横文字ばかりの本は読みたくないと言う方は『USJを劇的に変えた、たった一つの考え方』という本がおすすめです。

本書はあの有名なユニバーサル・スタジオ・ジャパンの破綻危機から見事なV字回復をさせ、集客数日本一のテーマパークまで持っていった森岡毅さんの書かれた本です。

つまりディズニーを超えるほどの集客数まで持っていったということです。

その真髄というのは『マーケティング』です。

本書を読むことでそんなマーケティング力を身につけることができるでしょう。

森岡毅さんはマーケティングを通じて様々な企業の業績をV字回復や急成長させてきた日本の有名なマーケターです。

有名所で言うとユニバーサル・スタジオジャパン、丸亀製麺、西武園ゆうえんち、ネスタリゾートなど数多くの企業の発展に携わっていてどれも結果を出しています。

では本書の内容に入っていきましょう。

マーケティングの本質とは何か?

マーケティングと聞くとなんだか難しそうという印象を持つ人も多いのではないでしょうか?

実際にマーケティングの世界ではよくわからない横文字が大量に出てきます。

今回はそんな横文字は全く使わずに解説していきます。

マーケティングとは

まずマーケティングとは何かと言うと『売れる仕組みを作ること』です。

つまり何もしなくても仕組みだけを作っておくだけで自社の商品が売れるようになることをマーケティングというのです。

よく営業とごっちゃなってしまう人がいますが営業は物を”売る”仕事ですがマーケティングは物を”売れる”ようにする仕事なのです。

日本のマーケティング

日本でマーケティングというのはあまり認知されていません。

しかし、アメリカや欧州ではマーケティングを重視する傾向にあります。

それは日本は技術思考である傾向が高いからです。

つまりいいものを作っていれば売れると思っているということです。

現にこれまでの高度経済成長までは技術力で他国を圧倒していた歴史もあります。

ではなぜ売れなくなったかと言うと技術力が簡単にコピーできるようなIT社会になったからです。

ネットで調べれば美味しい料理から簡単な車の修理まで様々な情報が出てきます。

技術力で差が出ないとなると結局、認知される人が勝つ社会になってしまうということです。

生き抜ける人間になりたいという方は『【本の要約】僕たちは君たちに武器を配りたい/瀧本 哲史著』も読んでみて下さい。

ここで大切な能力の一つが『マーケティング力』です。

アメリカや欧州はこの点で他国を圧倒して来たのです。

消費者の意見を聞きそこから商品開発をするという流れです。

つまり日本が技術→商品→お客さんの順で商品を開発していたのに対してアメリカではお客さん→技術→商品の順で商品開発をしていたということです。

技術があるばかりに自分よがりになってしまっていたんですね。

消費者視点

ではマーケティングの本質について見ていきます。

結論から言うと”消費者視点”です。

そんなことわかっているよという方も多いですができていないから商品が売れないのです。

人間は本音を言わない生き物です。または、自分の本音がわかっていないこともあるでしょう。

例えば、マクドナルドで新商品の開発についてアンケートを取ると真っ先に出てくる意見としてヘルシーなハンバーガーです。

しかし、実際に販売すると全く売れませんでした。

これは本音ではストレスを発散するためにマクドナルドを食べに来ているけど普段はちゃんと健康を意識していますというカモフラージュをしながら建前でマクドナルドにに来ているのです。

マーケティングではこの本音の部分をえぐり出すという作業が必要なのです。

これが本当の意味での”消費者視点”ということなのです。

この消費者の頭の中と商品の結びつきをコントロールしていくことがマーケティングの本質なのです。

  • マーケティングとは売れる仕組みを作ること
  • 日本は技術が先行してお客さんの視点に立ててない
  • マーケティングの本質は”消費者視点”

戦略を学ぼう

では実際に何をすればいいのかを学んで行きましょう。

マーケティングの仕事は主に3つあります。

その3つというのは消費者の頭の中を制す、店頭を制す、使用体験を制すです。

では一つずつ見ていきましょう

消費者の頭の中を制す

まずはマーケティングを学ぶ上で一番最初に出てくるのがどの商品を誰に売りたいのか?ということです。

つまり消費者が買いたいと思うまでの戦略です。

まず大切になってくるのが認知率商品、ブランドイメージです。

認知率は多くの人に知ってもらっているかどうかです。

具体的にはこのハンバーガーと言ったらマクドナルドだよねとか炭酸飲料を飲みたかったらコーラだよね。などのぱっと頭の中に出てくるのが認知です。

商品、ブランドイメージというのがその会社がどんな人にサービスを提供するのかです。

例えばベンツは高級なイメージがありますし、マクドナルドと言うとファミリー向けのようなイメージがあると思います。

他にも、男性なのか女性なのか、若いのか年配なのか、悩みの有無などによって層が変わっていきます。

このようにブランドイメージと商品が噛み合うことでよりお客さんの頭に入り込みやすくなるのです。

つまり、まずは認知をしてもらい、お客さんの頭の中と合わせる事によって商品は売れるのです。

USJの場合、経営不振の時は大人の女性に偏っていました。

これは映画だけのテーマパークにしていたため関西の映画が好きな人が来るテーマパークとしての認識が強くなっていました。

そこで森岡さんがマーケティングをし、ファミリー層や若年層を取り入れるためにユニバーサル・ワンダーランドを作ったりして客層を広げました。

つまり映画好きが来るテーマパークから世界最高のエンターテイメントテーマパークへの認識にシフトチェンジしたのです。

これによってより多くの来園者を迎えることとなったのです。

店頭を制す

次にお客さんを呼んだり商品を棚においておくということです。

当たり前ですが買いたいと思ったとしてもその商品が売り切れであれば売れません。

USJでも映画というニッチな分野に絞るのではなく、アニメやゲーム、コンサートなど様々なエンターテイメント全体を扱うのです。

最初はジョーズやジュラシックパーク、バック・トゥ・ザ・フューチャーなどの映画ばかりだったのですが今ではマリオなどのゲームから進撃の巨人などのコラボなど漫画も取り入れて来ました。

ただ、商品がいっぱいあっても消費者の目に留まるということも大切です。

つまりメインがないと人を呼べないということです。

USJではハリーポッターをメインに持ってきました。

当時年商が800億円だったUSJが450億円も投じて建設したのがウィザーディングオブハリーポッターです。

これをメインに持ってくることによって圧倒的な集客を呼んだのです。

ただ、商品をいっぱいおいて、メインにお金をかけるって矛盾してるように感じると思います。

このバランス感覚こそがマーケターの仕事なのです。

もし集客ができていなかったり人が来ても買っていってくれない場合はこれらのバランスが崩れている可能性があるということです。

使用体験を制す

最後に体験を制すると言うことです。

新規のお客さんはまだその商品やサービスを体験したことがないため何がいいのかやどういいのかを知りません。

そこで大切なのが体験を共有することです。

スーパーの試食など実際に少しだけ体験してもらったり、グーグルマップや食べログなどのレビューなどのように実際に体験した人に感想やサービスを共有してもらうのです。

ここで言われていることというのはいい商品を作りましょうと言うことです。

最初に技術先行だとだめだよという話をしましたが結局は技術も多少必要と言うことです。

効率的にマーケティングをする場合はリピーターの存在が必要不可欠です。

そのために必要なことはお客さんの期待を少し上回ることが大切です。

ここも結局はバランス感覚で、期待が100だとしたら101点を目指すことがマーケティングです。

もちろん80点や90点ではリピーターになってくれませんが200点や300点ではその得点が次の100点になってしまうのです。

つまり、次は来てくれるけどその次は来てくれなくなってしまいます。

長くお客様との関係を継続したいのならば常に101点を目指す感覚が必要になってきます。

  • マーケティングの3つの仕事というのは消費者の頭の中を制す、店頭を制す、使用体験を制す
  • 消費者の頭の中を制すというのは認知を広げ、ブランドイメージと消費者のイメージをすり合わせる事
  • 店頭を制すというのは商品を棚に置くこと
  • 使用体験を制すというのは期待を少し上回ること。

まとめ

USJを劇的に変えた、たった一つの考え方という森岡毅さんの本を要約をしました。

本書はマーケティングの入門書として横文字を使わずにマーケティングを勉強することができるビジネス書です。

本書を書いた森岡毅さんはUSJの経営危機からV字回復をさせ、集客数日本一のテーマパークまで持っていった人物です。

マーケティングとは売れる仕組みを作ることです。

そしてマーケティングで一番大切なことは消費者視点に立つことです。

消費者の頭の中や店頭、体験を制することが最も大切です。

ー参考図書ー

以上