【本の要約】『精神科医が見つけた 3つの幸福』アドラーの「嫌われる勇気」の科学的な観点は?

嫌われる勇気から学ぶ3つの幸せ

嫌われる勇気とは

嫌われる勇気』は前に当ブログでも紹介しました。

簡単に説明するとトラウマなんてないから人は変われるし承認欲求は毒だから捨てましょう。そして他人に喜んでもらうことが幸福なのです。というような内容になっています。

詳しくは以前投稿した記事を読んでみてください。

これを読んでほんとかよ。

と思う方もたくさんいらっしゃると思います。

当ブログ筆者も何度もこの本を読みましたが始めてこの本を読んだ際は全く共感ができず、もう読むことはないなと思っていたのが本音です。

しかし年齢を重ね、また読んでみたいと思いこの本を手に取ると最初に受けた感想とはまた別の感情が出てくるのです。

本の不思議なところは読む年齢や環境、その時の感情によって様々な変化をもたらすところにあると思います。

嫌われる勇気を読み解く

嫌われる勇気を読み解く

さて、この『嫌われる勇気』という本はどう読み解くと理解が深まるのかという点についてですが僕自身は脳内に分泌されるホルモンの効能を理解するとこの本をより理解ができると思います。

3つの脳内物質

今回の主役は脳内物質達です。人が幸福を感じる時分泌される脳内物質は3つあります。

それがセロトニンとオキシトシンとドーパミンです。

ドーパミンは聞いたことがあると思いますがセロトニンやオキシトシンはあまり聞き馴染みがないかも知れません。今回は一つづつ解説していこうと思います。

3つの幸福

セロトニン

まずはセロトニンです。

セロトニンとは心や体が健康である時に分泌される脳内物質で簡単に言うと安定や安心感がある時に幸せを感じるという脳内物質です。

空を見上げると雲ひとつな快晴だったり心地よい風が吹いていたり森林浴などをしても分泌されます。

逆に脳内にセロトニンが分泌されない状態だと幸福感を感じられず体調も悪く、セロトニン不足で起こるうつ病を発症してしまうこともあります。

オキシトシン

次にオキシトシンです。

オキシトシンは別名愛情ホルモンとも言われ子供や子犬を可愛いと思い育てるのはこのホルモンが脳内物質として分泌されているからだと言われています。

このオキシトシンも安心すると出てくるホルモンで他にも繋がりがあることで満たされた感情を生み出してくれるホルモンでもあります。

友達と話をしたり恋人や子供と一緒に過ごしたり、ペットと遊んだりすることで幸福感を感じるのはこのオキシトシンというホルモンが脳内で分泌されているからです。

ドーパミン

ドーパミン

最後にドーパミンです。

ドーパミンは成功体験や高揚感を感じると分泌される脳内物質で簡単に言うと楽しいや気持ちいいといった感情の幸福感です。何かを成し遂げたりお金などが増えることに喜びを感じる時に出てくる脳内物質です。

このドーパミンには他のセロトニンやオキシトシンの幸福感とは少し違った特徴が2つあり、1つは何か行動して得られる幸福であることで、2つ目はその幸福には依存性がありドーパミンが出続けると今までのドーパミンの量では満足ができずもっともっととなりやすいことです。

ドーパミンの特徴

まず1つ目の特徴の何か行動して得られる脳内物質という点ですが、セロトニンやオキシトシンは天気が良くて気持ちがいいとかペットが楽しそうに遊んでいてかわいいなというそこにある状態に対して幸福を感じる脳内物質なのですが、一方ドーパミンは競争に勝ったとかお金が儲かったなど何かアクションを起こしそれが成功した時に感じる幸福感の脳内物質なのです。

つまりセロトニンやオキシトシンがそこにあることに気づくと出てくる幸福感なのに対し、ドーパミンが出す幸福感は自身が行動することによって得られる幸福感なのです。

2つ目に依存性があり常にドーパミンが出続けていると満足ができなくなる特徴です。

セロトニンやオキシトシンは慣れて気づきにくくなることはありますがあまり劣化はしづらいです。天気がいい日は気持ちがいいしペットは可愛いもので、それは変わることはないでしょう。

しかしドーパミンは慣れてしまうと出なくなってしまう脳内物質なのでお金を稼ぐことで幸せを感じる人は貯金が1000万になっても2000万、3000万と目指してしまい不安は消えませんし、競争に勝ってもずっと戦い続けてしまいます。

ドーパミンの怖いところは同じ刺激を与え続けるとでなくなってしまうというところです。

具体的な対処法

具体的な対処法

では、この3つの幸福をもたらす脳内物質とどのように付き合っていけばいいのかという話なのですが著書『嫌われる勇気』では承認欲求はゴミ箱に捨てろとあるようにドーパミンを出す欲求は捨てろということで、逆にそこにあることに幸せを感じることで出てくるセロトニンやオキシトシンが出るような幸福を真の幸福であると言っているのです。

さて、ここまでが著書『嫌われる勇気』で言われている承認欲求を捨てろという部分の本質的な話ですが更に踏み込んだ話で現実的にこの本を読んでどのように過ごせば幸せを感じながら生きることができるのかですが、正直なところ我々は仙人ではないのでドーパミンも多少は出てもいいのではないかと当ブログ筆者は思っています。

土台を作ろう

セロトニンとオキシトシンが分泌される幸福が土台にある前提ではありますがドーパミンも人生には必要な脳内物質です。

まずは自身の心と身体をいたわり、それができたらペットや恋人、子供に愛情を注ぎ、それらの土台がしっかり優先順位の上位を独占した状態でドーパミン的な幸福である成功やお金について考えて行くべきであると私は思います。

まとめ

つまり、著書『嫌われる勇気』で書かれているのは、セロトニンやオキシトシンが脳内で分泌されるように、天気が良かったりペットと遊んだりすることに幸せを感じられるようにしましょう。

またドーパミンが出るような、人との競争やお金が増えていくこと、ブランド品を身につけることで感じる幸福、つまり本書の言い方をすると承認欲求をゴミ箱に捨てることでより幸せが劣化しない人生を送ることができるのです。

しかし、我々は仙人ではないので優先順位を考えた上でバランス良くこれらの脳内物質をコントロールして出すことで幸せな人生を送りましょう。

人間のほほえみ、人間のふれあいを忘れた人がいます。これはとても大きな貧困です。

-参考文献-

以上